百姓になりたい百姓百太郎の日記

現在無職の百姓百太郎が、真の百姓を目指す日々の記録

Gのコンキスタ

諸々の生物が活気づく盛夏。

 

ついに我が家にも、ゴキブリがやってきた。

 

川沿いの自然豊かな地域の恩恵によるものか、目撃したゴキブリの体格は引くほどたくましい。

 

一匹見かけたら30匹はいるという言い伝えを信用するならば、我が家はゴキブリの大群の激烈な侵略行為にさらされている、のっぴきならない危機的状況にある。

 

このままでは、スペインに征服(コンキスタ)されて滅亡したインカ帝国のごとく、我が家もゴキブリに席巻されかけない。

 

これまで、気持ち悪いだけで特に実害はないと思っていたゴキブリなのだが、どうもそうではないようで、サルモネラ菌とかピロリ菌とか、毒性の強い雑菌の運び屋となり、食べ物を汚染するという、ナチュラルボーンバイオテロリストという衝撃の事実がこの本には記されている。

 

 

この本は、ゴキブリ駆除のプロが、ご家庭でもできるゴキブリ対策について分かりやすくまとめた本。

 

この本の中で印象的なのは、ゴキブリを減らすのではなく、ゴキブリゼロを目指すというところ。

 

そのために大事なのは、ゴキブリホイホイとか殺虫剤とかの駆除剤でゴキブリを捕獲したりやっつけたりするのではなく、掃除と環境改善により、ゴキブリの住みにくい環境を作ることだ。

 

スペインが危険な航海を敢行してまでインカ帝国の侵略に乗り出したのは、莫大な富を生み出す広大で豊穣な土地があったからだ。

 

たとえインカ帝国の人々がスペイン人の侵略者を撃退したところで、そこに富の源泉となる土地がある限り、ポルトガルやフランス、イギリスなど、別の侵略者が引きも切らさずやってくるだけだったろう。

 

ゴキブリをいくらやっつけてもあとからあとから尽きることなく湧いてくるのは、そこにゴキブリの求める黄金があるからだ。

 

栄養豊富な食べ物、外敵から身を護り暖をとれる物陰や隙間など、ゴキブリとっての好条件がそろっていれば、奴らが次から次にやってくるのも道理だ。

 

幸いなことに、ゴキブリと私たち人間の利害は一致していない。

 

自らの土地を焼き尽くして侵略の価値を無くす、自殺同然の焦土作戦は必要ない。

 

ゴキブリに住みにくい環境は、人間にとってはすっきりと整理された、清潔な居住環境である。

 

その環境を作り、維持するのに多少の労力は必要とするが、ゴキブリたちの侵略を水際で防げるのなら安いものだ。

 

とりあえず、ゴキブリの住処になりやすいという、床に直置きしている段ボールや雑誌の束の撤去から始めてみようと思う。