百姓になりたい百姓百太郎の日記

現在無職の百姓百太郎が、真の百姓を目指す日々の記録

一流の「あーだこーだ」

 

物語の作り方―ガルシア=マルケスのシナリオ教室

物語の作り方―ガルシア=マルケスのシナリオ教室

 

ラテンアメリカの熟練の作家、ガルシア・マルケスが主催するシナリオ教室で、生徒が持ち込んだシナリオの種を完成に近づけていく討論の過程をまとめた一冊。

 

その道の一流が仕切るブレインストームが小気味良く進行する様子は、それだけでひとつの物語を読んでいるようで痛快。

 

教室の参加者が、あーだこーだそれぞれ好き勝手に喋り散らしていて、それを議事録のように細大漏らさず記述しているので、かなりのボリュームがあるが、下手したら空中分解しそうな討論をしっかりとまとめ、的確なアドバイスを逐一挟み教室の体もしっかりと成立させているガルシア・マルケスの手綱さばきは見事という他ない。

 

烏合の衆が頭を付き合わせてあーだこーだ言い合い、結論が出ないまま迷走するしょーもない討論ではなく、明確なゴールに向かって着実な一歩一歩を刻みながら突き進む、一流のあーだこーだの実際を垣間見たい人にオススメの逸品。